お知らせ

第69回旭川医科大学病院病理部・病理診断科セミナーをハイブリッド開催しました。

第69回旭川医科大学病院病理部・病理診断科セミナーをハイブリッド開催しました。

市原先生が講演『画像・病理対比の可能性と展望』を行い、順天堂大学大学院医学研究科生化学・生体システム医科学 洲﨑悦生先生から特別講演『3次元病理学/Voxel Pathologyの開発と臨床実装に向けて』を給わりました。

お二方とも未来の病理診断に向けた先進的な試みを詳細に御教授くださり、「組織の透明化」という信じられないような未来的技術も実現しているという事実に、会場は驚きに包まれておりました。

一般的に持たれている従来の病理のイメージを覆すセンセーショナルな講演内容に、会場参加者は30名、Webは67名ということで概ね100名が参加し、大成功でした。

私は古い人間なので、3次元病理の黎明という目の前の新しい流れに対する感動を描写できるほどの、エモくてバえるナウい語彙力を持ち合わせていなくて悔しく思います。

3次元病理のあけぼの、やうやうひろくなりゆく望みが、少しわかりていとをかしです。

※掲載画像は一部編集を施しております。

当院婦人科との合同カンファレンスにて、湯沢先生、青木先生、上小倉先生が症例提示を行いました。

当院婦人科との合同カンファレンスにて、湯沢先生、青木先生、上小倉先生が症例提示を行いました。

今回取り上げられた症例の中に、改めて婦人科腫瘍は難しいと思わされた症例がありました。

というのも、婦人科、つまり子宮や卵巣の腫瘍は、「良性」、「悪性」の他に、その中間の「境界悪性」という概念があるからです。

良性とも言い切れないけど、完全に悪性とも言い切れない腫瘍を境界悪性というのですが、患者さんはもちろん、臨床医の先生もそのどっちつかずな概念に悩まされているということがわかりました。

我々が腫瘍を診断しても、その後に患者さんの経過を診ていくのは臨床の先生なので、はっきりしてほしい気持ちはとってもよく分かります。

それこそ今注目のAI技術や3次元病理で、臓器の隅々まで診て悪性の特徴が見つからなかったから良性と言い切れる日が近い将来やって来るのかもしれません。

人間、特に日本人は得てして考えがブレやすく結論を先延ばしにしがちな生き物ですので、AIのように冷静かつスマートに判断できる存在の方が、病理診断に向いているのか、そうでないのか、今すぐには結論を出せない私はちゃんと人間だと思います。

ちゃんと人間なので、AIに負けてると言われたら、大変遺憾に思います。

「第50回北海道脳腫瘍病理検討会」にて、坂田先生が症例提示を行いました。

「第50回北海道脳腫瘍病理検討会」にて、坂田先生が症例提示を行いました。

「北海道脳腫瘍病理検討会」とは、北海道内の病院で診療された脳腫瘍の症例について、臨床医と病理医がそれぞれの観点から発表をするオンラインでの検討会です。

このような他施設とのカンファレンスは若手の先生がプレゼンテーションの経験を積む絶好の機会なので、坂田先生のような専攻医が発表を担当することはあるあるです。

そしてWebミーティングのソフトが上手く扱えず、発表が始まるまでにちょっとゴタゴタするのもあるあるです。

パワーポイントの画面共有に失敗して、発表最中に「スライドが進んでいません」とコメントされて焦っちゃうのもあるあるです。

更に発表後に寄せられた質問にちゃんと答えられず、上級医が横から助け舟を出すのもあるあるです。

その拙い一部始終をベテランの先生方が微笑ましく見守るのもあるあるです。

あるあるだけど内々にしか伝わらないお話でした。

当院泌尿器科との合同カンファレンスにて、谷野先生、上小倉先生、林先生が症例提示を行いました。

当院泌尿器科との合同カンファレンスにて、谷野先生、上小倉先生、林先生が症例提示を行いました。

今回取り上げられた症例の中に、淡明細胞型腎細胞癌がありました。

淡明、つまり淡く透明のように見える細胞の癌で、腎細胞癌で最も多いタイプなのですが、若干長く周りくどいネーミングで、英語にするとCCRCC (※1) と略されます。

CCRCCと言われても、見慣れないと何のことかよく分からなくなりますが、実は他にも淡明細胞乳頭状腎細胞癌という別の種類の癌もあり、そちらは英語でCCPRCC (※2) と略すので、非常に紛らわしいのです。

忠実に腫瘍の特徴を表している名前を、長いからと略してしまうと伝わり辛くなるジレンマを感じる一例です。

今尚、新たな発見が絶えない医学の世界ですが、今後は概念のカテゴライズも単純明快化できるようになれば、混沌の中に朝日が差し込み、21世紀で最も革命的でCCCEKG (※3) です。

 

※1. Clear Cell Renal Cell Carcinoma

※2. Clear Cell Papillary Renal Cell Carcinoma

※3. 超超超 いい 感 じ

第68回旭川医科大学病院 病理部・病理診断科セミナーにて、Memorial Sloan Kettering Cancer Centerにおいて病理デジタルイメージング部長を務めるの八木由香子先生が、「New Challenges and New Futurein Digital and Computational Pathology」というタイトルで講演してくださりました。

第68回旭川医科大学病院 病理部・病理診断科セミナーにて、Memorial Sloan Kettering Cancer Centerにおいて病理デジタルイメージング部長を務めるの八木由香子先生が、「New Challenges and New Futurein Digital and Computational Pathology」というタイトルで講演してくださりました。

先生が直接開発に携わっているデジタル病理画像を利用した診断支援技術や、マイクロCTを利用してバーチャルに病理標本画像を3次元構築する技術、ナノレベルの解析などについても御紹介いただきました。

プライベートでの北海道旅行でしたが、帰り道に当院にお立ち寄りいただき世界最先端の技術を御教授くださりました。

病理医、検査技師のほか、当院脳神経外科の木下教授、消化器外科の庄中講師なども現地御参加くださり、またウェブ参加者も多く皆熱心に拝聴、御質問されていました。

八木先生ありがとうございました!

少し前まではSF映画などのフィクションの中だけだと思っていた未来的な技術が次々と実現している現状に、とてもとても速い時代の流れを感じ、その最中にいる私自身もフィクションの存在でないかとすら思えます。

まだまだ未知と遭遇できる、このA.I.技術をマトリックスとした2025年未来の旅や、超速的な技術発展の競い合いであるジェットコースター・ウォーズ、etc. に、私もついていってゴー・トゥー・ザ・フューチャーできないと、猿の惑星にエイリアンとして取り残され、「君の名は?」と聞かれてしまうかもしれませんね。

北海道大学第一内科の杉本先生が筆頭著者で、谷野先生が共著した論文の「Pathological features of pulmonary vasculopathy in interstitial lung disease-associated pulmonary hypertension」がRespiratory Medicine (IF=3.4) に掲載されました。

北海道大学第一内科の杉本先生が筆頭著者で、谷野先生が共著した論文の「Pathological features of pulmonary vasculopathy in interstitial lung disease-associated pulmonary hypertension」がRespiratory Medicine (IF=3.4) に掲載されました。

特発性肺高血圧症と間質性肺炎の背景に存在する血管異常を病理学的に解析した論文です。

肺と心臓の血液循環は、よく学生さんが混乱するところでもあります。

動脈は「酸素を全身に運ぶ」、静脈は「また酸素を取り入れるために戻っていく」という認識が元々あるため、心臓から肺に向かう『肺動脈』には酸素の少ない「静脈血」が流れ、肺から心臓に向かう『肺静脈』には酸素を含んだ「動脈血」が流れるという事実がイメージし辛いからです。

更に『肺高血圧症』は文字通りに受け取ると「肺が高血圧ってどういうこと?」と、その実態に行き着く前にこんがらがって頭が拒絶反応を起こすのです。

これはネーミングが混乱を引き起こす事象の典型例だと思います。

『なんか肺にいく酸素すくなくてかわいいやつ』『なんか心臓にいく酸素いっぱいでかわいいやつ』『なんか肺にいく酸素すくなくてかわいいやつが硬くなってくるしいやつ』みたいな名前だったら、『はいかわ』『しんかわ』『はいかわがくるしいやつ』と親しみを持つことができて、理解できなくて「わァ…」と泣いちゃったりすることもなくなるのではと私は思います。

劉先生が札幌で開催された第3回呼吸器関連5学会合同北海道地方会で演題を発表しました。

劉先生が札幌で開催された第3回呼吸器関連5学会合同北海道地方会で演題を発表しました。

臨床医が主体となる学会なので、いつもとは違って病理医向けではないアプローチが必要になる難しい演題発表でしたが、劉先生は見事成し遂げ、臨床の先生方からも好評でした。

病理医の中では常識でも臨床医には浸透していない概念はたくさんありますし、その逆もたくさんあります。

私は昔、当院ではない医療機関で、臨床の先生方の間で、一般外科は「ぱんげ」、乳腺外科は「にゅうげ」、呼吸器外科は「こげ」、血管外科は「けつげ」と略していたのを聞き知っていたので、当科内で「あれは、けつげの先生ですね」と言って凄い空気になったことがありました。

以来、私は絶対に血管外科とお呼びすることにしました。

谷野先生が神戸で開催された第6回日本石綿・中皮腫学会にて、一般演題「分子・遺伝子・病理」と教育講演3「石綿の免疫毒性と中皮腫」の座長を務めました。

谷野先生が神戸で開催された第6回日本石綿・中皮腫学会にて、一般演題「分子・遺伝子・病理」と教育講演3「石綿の免疫毒性と中皮腫」の座長を務めました。

神戸大学医学部新緑会館記念ホールが満席になるほどの参加者で、発表演題・質疑応答も多く大変盛り上がりました。

参加された方々の目はまるで神戸の夜景のように爛々と煌めいておりましたが、演題や質問の内容はとてもハイレベルで、神戸スイーツのように甘くはありませんでした。

皮膚科の岸部麻里先生が筆頭著者で、谷野先生が共著した論文の「VEXAS症候群診断の観点を踏まえたSweet症候群患者の単施設後方視的解析」が日本皮膚科学会誌 第135巻第10号に掲載されました。

皮膚科の岸部麻里先生が筆頭著者で、谷野先生が共著した論文の「VEXAS症候群診断の観点を踏まえたSweet症候群患者の単施設後方視的解析」が日本皮膚科学会誌 第135巻第10号に掲載されました。

アトピー性皮膚炎などのありふれた病気から、癌などの悪性腫瘍まで、皮膚を介して病気が発見されることは多いです。

その重要性から、皮膚の病理は一つの専門分野としてカテゴライズされているほどです。

皮膚は「体調の窓」と言われるように、全身診察における皮膚の状態の把握はとても重要なのです。

患者さんとの関係性を良好にするためにも、そして、患者さんの具合の悪さにすぐ気付くためにも、医師にとって、「顔色をうかがう」のは、案外重要なことなのです。

令和7年度 第2回教育型CPCが当院で開催されました。

令和7年度 第2回教育型CPCが当院で開催されました。

CPCとは、亡くなった患者さんの死因を明らかにするために臨床医と病理医がそれぞれの観点から考察を行い、議論するカンファレンスのことです。

この度は初期研修医の皆さんが発表を行う教育型CPCで、当科以外の講座の医師が、病理医側の発表を行う研修医さん達のサポートをしました。

発表、つまりプレゼンテーションは、良い発表用スライドを作成するだけでなく、口頭での説明も重要です。

どんなに頑張って素晴らしいパワーポイントファイルを作成しても、退屈な喋り方で聴衆の聞く気を奪ってしまったら元も子もありません。

今回担当された初期研修医の皆さんも、実際に自分の口で発表してみて、自分が思っていたより上手く喋れなかった、と感じたかもしれません。

こればっかりは座学では身に付かないので、人前で喋る経験をどれだけ積んできたかがものを言います。

自分の話している内容が理解されないのを聞き手の理解力不足のせいにする著名人がいますが、話し手の努力不足もあると私は思いますので、若い先生方はそんな石頭にはならないと、信じています。