当部の谷野先生が共著したcase reportの「Treatment of lung adenocarcinoma with chemotherapy helps mitigate chronic myeloid leukaemia progression: A case report」がOncology letters (IF 2.5) にアクセプトされました。

当部の谷野先生が共著したcase reportの「Treatment of lung adenocarcinoma with chemotherapy helps mitigate chronic myeloid leukaemia progression: A case report」がOncology letters (IF 2.5) にアクセプトされました。

タイトルをとてもざっくりと和訳すると「肺癌の抗がん剤治療が白血病にも効いた1例」です。

白血病という病気は実質「血液の癌」です。

液体である「血液の癌」と言われてもピンとこないと思いますので、「血液を作り出す臓器の癌」と考えて下さい。

血液中に、正常ではない細胞が正常ではない勢いで増えていき身体機能を正常でなくする点は、他の臓器の癌と一緒です。

このように、学んだことのない方々には、聞いてもイメージし辛い医学用語はたくさんあります。

なので医師には、患者さんが理解できるように病気について分かり易く説明する義務があります。

医療の主役は医師ではなく、患者さんです。

主役が、自分の歩む道について満足のいく選択ができるように精一杯サポートするのが、脇役である医師の腕の見せ所です。

直接患者さんとお会いしないので影が薄いですが、我々病理医こそ、「癌治療」の名バイプレイヤーと覚えてくれたら嬉しいです。

【重要・2024年10月23日更新】 当院における病理標本のSOP(標準作業手順書)の改訂に伴い、未染標本作製依頼書の新しい様式を当ホームページ上にアップロード致しました。

【2024年10月23日更新】

当院における病理標本のSOP(標準作業手順書)の改訂に伴い、未染標本作製依頼書の新しい様式を当ホームページ上にアップロード致しました。

御依頼の際は、本日よりこちらを御利用いただきたく存じます。

書類作成前に、臨床用1のExcelファイルはver15、臨床用2はver5、研究用はver5であることを御確認下さい。

下記当ホームページ内URLのリンク先のページからダウンロードをお願い致します。

未染標本作製依頼 – 旭川医科大学病院 病理部 【公式】 (asahikawa-patho.net)

当部の谷野先生が「Scientific Exchange Meeting in 北海道」で「膠原病関連間質性肺炎とMDD」に関する講演会のクロージングを務めました。

当部の谷野先生が「Scientific Exchange Meeting in 北海道」で「膠原病関連間質性肺炎とMDD」に関する講演会のクロージングを務めました。

MDDとはMulti-Disciplinary Discussionの略で、呼吸器専門医、放射線科医、病理医の3者で合議をする、「日本呼吸器学会 びまん性肺疾患診断・治療ガイドライン」で推奨されている診断法です。

今回のテーマは膠原病関連間質性肺炎ですが、膠原病という言葉に聞き馴染みの薄い方もいらっしゃるのではないでしょうか。

膠原病は、発生した臓器がはっきりしないのに、全身に症状を及ぼす非常に厄介な病気です。

ですが、顔を見て実際に患者さんを診ている、

X線やCT画像を通して患者さんを診ている、

病理組織標本を通して患者さんを診ている、

3つの診るスペシャリストが集えば見えない敵に臆することはありません。

我々病理医の”みる”目と、その目力は、他の科からも一目置かれているのです。

当部の谷野先生が病理委員会として共同執筆した『肺癌診療ガイドライン 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍を含む 2024年版』が発刊されました。

当部の谷野先生が病理委員会として共同執筆した『肺癌診療ガイドライン 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍を含む 2024年版』が発刊されました。

診療ガイドラインとは、治療施設が違っても患者さんが同じ基準の治療を受けられるように定められた、推奨される診療の指標のことです。

肺癌診療ガイドラインは毎年改定されていて、日進月歩の肺癌の病理学的指標も、毎年日本を代表する病理医達によって定められているのです。

医療は競争ではなく、みんなが横並びで一緒に前進することを目指していて、こういった全国共通のガイドライン作成もその一環です。

診療のレベルを底上げしていく方が、結果的にたくさんの患者さんを救うことができるからです。

医療ドラマのような、悪魔みたいな心臓外科医の天才的技術や、絶対に失敗しない外科医の技術を追い求めたりはしません。

医療は、ドラマではないからです。

※掲載画像は『肺癌診療ガイドライン 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍を含む 2024年版』の表紙写真です。

令和6年度 第2回従来型CPCが当院で開催され、当部在籍病理医の市村先生が症例発表をしました。

令和6年度 第2回従来型CPCが当院で開催され、当部在籍病理医の市村先生が症例発表をしました。

CPCとは、亡くなった患者さんの死因を明らかにするために臨床医と病理医がそれぞれの観点から考察を行い、議論するカンファレンスのことです。

この度は臨床の先生と病理医を中心に開催される従来型CPCでした。

今回取り上げられた症例の一つに、慢性心不全の増悪で亡くなられた患者さんがいらっしゃいました。

実は、心不全を死因として死亡診断書に医師が記載する際には注意が必要です。

本当に心不全が直接的な原因か診断できない場合に、漫然と心不全を死因として記載してはならないと国際的に決められているからです。

「心不全」は「心臓が機能を全うできない」状態を広く指す言葉であり、疾患の名前そのものではないのです。

このように医学用語は、その意味を正確に把握して使用する必要があります。

病理医は、病理組織の視覚的情報を医学的に言語化することを求められるので、言葉の定義に敏感でなくてはなりません。

故人を懐い待つ御家族の思い思いの想いに応える念いを胸に死の診断をする、責任の重い仕事だと私はおもいます。

当部の谷野先生が「脳腫瘍」のセッションを分担執筆した「術中迅速病理診断スタンダード」が発刊されました。

当部の谷野先生が「脳腫瘍」のセッションを分担執筆した『術中迅速病理診断スタンダード』が発刊されました。

非常に重要な分野ながら、今まで要点がまとめられた正書は少なかった術中迅速病理診断の、新たな指針となる1冊です。

検体の取り扱いから標本作製、診断まで網羅されており、各病理診断施設に必携の内容です。

迅速病理標本は施設ごとの技術の差が出易いと言われており、正確な診断には病理医だけでなく標本を作製する検査技師の高い能力も不可欠です。

当部の迅速病理標本はとてもクオリティが高いと定評があり、我々病理医は技師さんの力にいつも助けられております。

共に医療をする仲間を誇らしく思えることを、私は誇りに思います。

※掲載画像は『術中迅速病理診断スタンダード』の表紙写真です。