令和6年度 第2回従来型CPCが当院で開催され、当部在籍病理医の市村先生が症例発表をしました。

令和6年度 第2回従来型CPCが当院で開催され、当部在籍病理医の市村先生が症例発表をしました。

CPCとは、亡くなった患者さんの死因を明らかにするために臨床医と病理医がそれぞれの観点から考察を行い、議論するカンファレンスのことです。

この度は臨床の先生と病理医を中心に開催される従来型CPCでした。

今回取り上げられた症例の一つに、慢性心不全の増悪で亡くなられた患者さんがいらっしゃいました。

実は、心不全を死因として死亡診断書に医師が記載する際には注意が必要です。

本当に心不全が直接的な原因か診断できない場合に、漫然と心不全を死因として記載してはならないと国際的に決められているからです。

「心不全」は「心臓が機能を全うできない」状態を広く指す言葉であり、疾患の名前そのものではないのです。

このように医学用語は、その意味を正確に把握して使用する必要があります。

病理医は、病理組織の視覚的情報を医学的に言語化することを求められるので、言葉の定義に敏感でなくてはなりません。

故人を懐い待つ御家族の思い思いの想いに応える念いを胸に死の診断をする、責任の重い仕事だと私はおもいます。

当部の谷野先生が「脳腫瘍」のセッションを分担執筆した「術中迅速病理診断スタンダード」が発刊されました。

当部の谷野先生が「脳腫瘍」のセッションを分担執筆した『術中迅速病理診断スタンダード』が発刊されました。

非常に重要な分野ながら、今まで要点がまとめられた正書は少なかった術中迅速病理診断の、新たな指針となる1冊です。

検体の取り扱いから標本作製、診断まで網羅されており、各病理診断施設に必携の内容です。

迅速病理標本は施設ごとの技術の差が出易いと言われており、正確な診断には病理医だけでなく標本を作製する検査技師の高い能力も不可欠です。

当部の迅速病理標本はとてもクオリティが高いと定評があり、我々病理医は技師さんの力にいつも助けられております。

共に医療をする仲間を誇らしく思えることを、私は誇りに思います。

※掲載画像は『術中迅速病理診断スタンダード』の表紙写真です。