当部の谷野先生と上小倉先生が当院の2024年度第3回MDDで症例提示をしました。
MDDとはMulti-Disciplinary Discussionの略で、呼吸器専門医、放射線科医、病理医の3者で合議をする、「日本呼吸器学会 びまん性肺疾患診断・治療ガイドライン」で推奨されている診断法で、当院では定期的に開催されています。
病理診断における間質性肺炎は、実は非常に難解です。
感染症やアスベスト肺、血管炎など幅広い「肺癌以外の肺の病気」について集約された比較的新しいある参考書では、全437ページ中104ページ、つまり1/4が間質性肺炎について記載されています。
そんなにもページ数を割かなくてはならないほど、間質性肺炎は診断に必要な情報量が多く、まだまだ謎の多い病気なのです。
だからこそ、臨床科、放射線科と各分野の見解を持ち寄って検討をする必要があるのです。
このように、我々医療人は、互いに尊敬し合い、協力して診療に臨みます。
一人で手術はできないし、一人でCTは撮れないし、一人で病理診断はできません。
自信を持ち過ぎず、謙遜の心を常に忘れないようにしなければなりません。
私も人生の1/4は過ぎましたが、そんなにも歳月を割いても尚、医師として、人として、まだまだ至らぬ所の多い未熟者なのです。