当院キャンサーボードにて、当部の上小倉先生が症例提示を行いました。

当院キャンサーボードにて、当部の上小倉先生が症例提示を行いました。

キャンサーボードとは、旭川医科大学病院での悪性腫瘍:がんの症例に対して、各科の医師が集まって意見を出し合う大型カンファレンスのことで、当院では定期的に開催されております。

当部の上小倉先生は、平滑筋肉腫という珍しい悪性腫瘍の症例を診断し、その解説をしました。

平滑筋肉腫とは、人間の筋肉の一種である平滑筋細胞によく似た腫瘍細胞からなる悪性の腫瘍で、その特徴的な病理所見の一つに「両切りたばこ状核」というものがあります。

紙巻きたばこの種類の一つである両切りたばこと、平滑筋肉腫の細胞の核がそっくりな形をしているためそのように名付けられました。

日本の悪性軟部腫瘍の取り扱い規約にも記載されている、正式な病理用語です。

しかしながら、世界的に喫煙率が減っているこの御時世、両切りたばこ自体を知っている人はどれほどいらっしゃるのでしょうか。

ましてや医療に関連する概念をたばこで例えるというのも、現代のコンプライアンス的にはそぐわない気もします。

こういう問題提起という狼煙をあげると、火のないところに煙は立たないことを分かっていながら煙たがる人たちが出てきて、のらりくらりと煙幕を張られ、いつの間にかうやむやに煙に巻かれてしまいます。

ふかす訳はありませんが、こういう、人とは違う視点をバカみたいに追及できる人は、高いところにのぼるもの。

私はそう信じて、今は地道に研鑽に打ち込みます。

ただモクモクと。

当部の谷野先生と湯澤先生が共著したcase reportの「Diagnosis of Isocitrate Dehydrogenase-Mutant Astrocytoma in the Subcallosal Gyrus Using T2-Fluid-Attenuated Inversion Recovery Mismatch Sign and Quantitative Magnetic Resonance Relaxometry」がCureus (IF 1.2) にアクセプトされました。

当部の谷野先生と湯澤先生が共著したcase reportの「Diagnosis of Isocitrate Dehydrogenase-Mutant Astrocytoma in the Subcallosal Gyrus Using T2-Fluid-Attenuated Inversion Recovery Mismatch Sign and Quantitative Magnetic Resonance Relaxometry」がCureus (IF 1.2) にアクセプトされました。

翻訳ソフトや生成AIもたじたじの、なかなかに複雑なタイトルですね。

ざっくりと和訳すると、

「脳の一部分である梁下野というところにできた、脳腫瘍の1種である星細胞腫の中でも、

イソクエン酸デヒドロゲナーゼという細胞の中の1成分が、通常とは異なる性質を持っているものを、

MRI検査の撮影法の1つであるFLAIR法と、MRI検査撮影画像の情報を数値化して評価する方法、

その2つの方法を用いて診断した1例」です。

既にものすごい情報量です。

脳腫瘍の分野は特に、遺伝子や検査法など一般の方にはちょっと難しい言葉がたくさん登場します。

私は医師ですが、自分の精通していない領域の言葉の理解にはまだまだ時間がかかります。

そういう意味では、このホームページを読んで下さっている皆さんと近い視点だと思います。

今年も我々病理医のお仕事の一端をご紹介していけたらと思いますので、翻訳ソフトや生成AIもたじたじの人間味や親しみや温かみやわかりみを皆さんが感じていただけたら、私はうれしみを感じます。

 

当部の秋山直子臨床検査技師が、技師長に就任しました。

当部の秋山直子臨床検査技師が、技師長に就任しました。

主任、副技師長として、ずっと牽引してきて下さりましたが、この度、正式に技師長に任命されました。

当院は病理検体数も多く、技師さん達の協力なしでは病理診断は絶対に成り立ちません。

「師」という言葉には、「専門家」という意味以外にも「教え導く人」という意味もあります。

どうかこれからも、その素晴らしい技術を伝えるみんなの「師」して、末長く当部を支えて下さい。

改めて、おめでとうございます、秋山技師長。