当院キャンサーボードにて、当部の上小倉先生が症例提示を行いました。
キャンサーボードとは、旭川医科大学病院での悪性腫瘍:がんの症例に対して、各科の医師が集まって意見を出し合う大型カンファレンスのことで、当院では定期的に開催されております。
当部の上小倉先生は、平滑筋肉腫という珍しい悪性腫瘍の症例を診断し、その解説をしました。
平滑筋肉腫とは、人間の筋肉の一種である平滑筋細胞によく似た腫瘍細胞からなる悪性の腫瘍で、その特徴的な病理所見の一つに「両切りたばこ状核」というものがあります。
紙巻きたばこの種類の一つである両切りたばこと、平滑筋肉腫の細胞の核がそっくりな形をしているためそのように名付けられました。
日本の悪性軟部腫瘍の取り扱い規約にも記載されている、正式な病理用語です。
しかしながら、世界的に喫煙率が減っているこの御時世、両切りたばこ自体を知っている人はどれほどいらっしゃるのでしょうか。
ましてや医療に関連する概念をたばこで例えるというのも、現代のコンプライアンス的にはそぐわない気もします。
こういう問題提起という狼煙をあげると、火のないところに煙は立たないことを分かっていながら煙たがる人たちが出てきて、のらりくらりと煙幕を張られ、いつの間にかうやむやに煙に巻かれてしまいます。
ふかす訳はありませんが、こういう、人とは違う視点をバカみたいに追及できる人は、高いところにのぼるもの。
私はそう信じて、今は地道に研鑽に打ち込みます。
ただモクモクと。