剖検担当部署の一覧カレンダーを更新致しました。
2024年9月6日にアップロードしたものに訂正があり、再度新しくアップロードさせていただきました。
剖検のご依頼の際はこちらのカレンダーをご確認の上、各部署にご連絡をお願い致します。
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当院婦人科病理カンファレンスにて、当部の湯澤先生、上小倉先生が症例提示を行いました。
今回取り上げられた症例の中に、女性器の内腔側に子どもの握りこぶしほどの大きさの腫瘍ができた患者さんがいらっしゃいました。
実際に病理組織で評価すると、癌は女性器自体に深く根付いていなかったため、見た目ほど悪性度は高くないという診断に至りました。
私もそうだったのですが、医学生の方々の中にも、大きくて見た目が派手なものより、臓器にへばりつくように平べったい癌の方が悪性度が高いという事実に、なかなかピンとこない方はいらっしゃるのではないでしょうか。
一概には言えないのですが、癌は臓器に染み込むように増殖していく方が、身体中に広がり易くて悪いものなのです。
実際に病理組織で比較して見た方がイメージが湧き易いと思います。
結局、人間の身体を理解するには大きい視点のマクロと小さいミクロの比較が大事なのですが、医学生の人数分顕微鏡を用意できないので、病理や組織学の勉強はおろそかになりがちです。
森ばかり見ていたら、森がどんどん枯れていっても理由は分かりません。
一本のミズナラの木を見て異変に気付くことができれば、森全体のナラ枯れは防げるのです。
第14回迅速免疫染色研究会が本学にて開催され、当部の谷野先生が代表世話人を務め、林先生、宮川臨床検査技師が演題を発表しました。
コロナ禍を経て久しぶりの対面開催となった当学会は、文字通り、術中迅速病理診断における免疫染色についての研究成果を発表する場です。
免疫染色とは、細胞の免疫抗体反応を利用した特別な試薬で標本を染色することで、細胞についてより詳細な情報が得られる検査法です。
本来の免疫染色はできあがりまでに数時間から数日かかることもあるのですが、迅速免疫染色は、それを手術の真っ最中の迅速病理診断で用いるというとても画期的な概念なのです。
簡単に言うと、手術で切除したものが悪性腫瘍かどうかの判断がとても分かり易くなるのです。
林先生と宮川臨床検査技師は、当院の迅速免疫染色における実際の症例や経験を踏まえた研究・調査結果をそれぞれ発表し、会場では活発な議論が行われました。
迅速免疫染色の概念の誕生から既に10年以上が経過し、術中迅速病理診断自体は更にさかのぼります。
その長い歴史は全て、手術の中のたった一時のために蓄積されてきました。
ですが、その一時の判断が、患者さんの長い長い人生を左右することになり得るのです。
非常に「タイパ」は悪いのかもしれませんが、医療の歴史は悪いタイパの積み重ねで発展してきました。
今この瞬間も、たった一時のために、医師、検査技師、製薬会社、医療機器メーカーなど、たくさんの方々が何十年もかけてこの技術を磨いて下さっています。
タイパで人は、救えないからです。
※掲載写真は一部修正しております。
神戸大学医学部付属病院 病理診断科の伊藤智雄教授に「病理診断とAI」「原発不明癌の診断」という2つのテーマで御講演いただきました。
プログラミングに関しては御専門ではない伊藤教授が、御自身で勉強されて、AIの病理診断アルゴリズムの作成に挑戦した実際の過程を分かり易く教えて下さり、リアリティーのあるとても興味深い御講演でした。
調べてみたところ、AI技術の発展が世界的に目覚ましい昨今ですが、意外にもモノづくりに長けた日本の、病理診断分野においてはまだまだ遅れているようです。
AIの実際の病理画像の読み込みに制約がある、最終的な確定診断にAIが踏み込める領域が狭いなど、日本ならではの事情が関わっているとのことです。
日本は、AI技術においては世界におくれをとっている、と専門家の方々には嘆かわしい現状でもあるみたいです。
逆に言えば法的な調整次第で、日本のAI医療はまだまだのびしろがあるということでもあり、今後の発展に期待が膨らみます。
私はAI技術の知識や病理診断の能力もまだまだ未熟ないち病理医ですが、嘆かわしいほど慎重で奥ゆかしい日本人の倫理観が大好きです。
世界からおくれていても、自分なりに一生懸命だったら、
一等賞だと、私は思います。
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