第14回迅速免疫染色研究会が本学にて開催され、当部の谷野先生が代表世話人を務め、林先生、宮川臨床検査技師が演題を発表しました。

第14回迅速免疫染色研究会が本学にて開催され、当部の谷野先生が代表世話人を務め、林先生、宮川臨床検査技師が演題を発表しました。

コロナ禍を経て久しぶりの対面開催となった当学会は、文字通り、術中迅速病理診断における免疫染色についての研究成果を発表する場です。

免疫染色とは、細胞の免疫抗体反応を利用した特別な試薬で標本を染色することで、細胞についてより詳細な情報が得られる検査法です。

本来の免疫染色はできあがりまでに数時間から数日かかることもあるのですが、迅速免疫染色は、それを手術の真っ最中の迅速病理診断で用いるというとても画期的な概念なのです。

簡単に言うと、手術で切除したものが悪性腫瘍かどうかの判断がとても分かり易くなるのです。

林先生と宮川臨床検査技師は、当院の迅速免疫染色における実際の症例や経験を踏まえた研究・調査結果をそれぞれ発表し、会場では活発な議論が行われました。

 

迅速免疫染色の概念の誕生から既に10年以上が経過し、術中迅速病理診断自体は更にさかのぼります。

その長い歴史は全て、手術の中のたった一時のために蓄積されてきました。

ですが、その一時の判断が、患者さんの長い長い人生を左右することになり得るのです。

非常に「タイパ」は悪いのかもしれませんが、医療の歴史は悪いタイパの積み重ねで発展してきました。

今この瞬間も、たった一時のために、医師、検査技師、製薬会社、医療機器メーカーなど、たくさんの方々が何十年もかけてこの技術を磨いて下さっています。

タイパで人は、救えないからです。

※掲載写真は一部修正しております。

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