当院婦人科病理カンファレンスにて、当部の湯澤先生、上小倉先生が症例提示を行いました。

当院婦人科病理カンファレンスにて、当部の湯澤先生、上小倉先生が症例提示を行いました。

今回取り上げられた症例の中に、女性器の内腔側に子どもの握りこぶしほどの大きさの腫瘍ができた患者さんがいらっしゃいました。

実際に病理組織で評価すると、癌は女性器自体に深く根付いていなかったため、見た目ほど悪性度は高くないという診断に至りました。

私もそうだったのですが、医学生の方々の中にも、大きくて見た目が派手なものより、臓器にへばりつくように平べったい癌の方が悪性度が高いという事実に、なかなかピンとこない方はいらっしゃるのではないでしょうか。

一概には言えないのですが、癌は臓器に染み込むように増殖していく方が、身体中に広がり易くて悪いものなのです。

実際に病理組織で比較して見た方がイメージが湧き易いと思います。

結局、人間の身体を理解するには大きい視点のマクロと小さいミクロの比較が大事なのですが、医学生の人数分顕微鏡を用意できないので、病理や組織学の勉強はおろそかになりがちです。

森ばかり見ていたら、森がどんどん枯れていっても理由は分かりません。

一本のミズナラの木を見て異変に気付くことができれば、森全体のナラ枯れは防げるのです。

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