当部の湯澤先生が共著したcase reportの「Tongue squamous cell carcinoma masked by herpes simplex virus infection: A case report」がOncology Letters (IF=2.5) にアクセプトされました。
ヒト単純ヘルペスウイルス感染が、舌癌の存在を隠してしまった患者さんの症例報告です。
「ヘルペス」という言葉、医療関係者でなくても聞いたことがあるほど有名だと思います。
実はヘルペスウイルスは人に感染するものだけで8種類あり、それぞれ引き起こす病気が異なります。
性行為で感染するヘルペスウイルスも確かに存在するので、そのイメージだけが先行して「ヘルペス=性感染症」という誤った認識を持っている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、お子様が突然熱を出し、肌にピンクのぶつぶつができて御両親がびっくりする「突発性発疹」も、ヘルペスウイルスの中の一種が原因です。
勿論、性行為は全く関係ありません。
SNSなどにおける若者の文章の理解力の低下がよく取りざたされますが、別に若くなくとも「ヘルペス=性感染症」と認識していて、早とちりで患者さんを攻撃する人達はかなりいます。
昔に比べて調べものをする上で便利なAIは増えてきているのに、調べものをしようとする人間が減ってきているのは、なんとも皮肉なものです。