お知らせ

当院キャンサーボードにて、当部の上小倉先生が症例提示を行いました。

当院キャンサーボードにて、当部の上小倉先生が症例提示を行いました。

キャンサーボードとは、旭川医科大学病院での悪性腫瘍:がんの症例に対して、各科の医師が集まって意見を出し合う大型カンファレンスのことで、当院では定期的に開催されております。

上小倉先生は、腎臓と肝臓の隙間にできた悪性腫瘍の症例の診断・解説をしました。

当院にその患者さんを紹介して下さった医療機関で、背中から針を刺して腫瘍の一部を採取してくる生検が行われておりました。

しかしながら、病理学的に病変の全体像を掴むには、もうちょっと腫瘍が採れていたら良かった感じでした。

当たり前ですが、病気の診断は、患者さんの情報が多ければ多いほど正確にできます。

今回は生検での病理組織情報自体は少なめでしたが、臨床の先生の診察や放射線科の先生の画像診断によって、結果的に病気のおおよその全体像を把握することができました。

この春から医療従事者として第一歩を踏み出す初期研修医の皆さんは、医学生の頃から、問診で患者さんの情報を聞き出すことの重要性は何度も教えられてきたと思います。

慣れてくると、外来を早く終わらせたいことばかりに気を置いて患者さんとの対話を疎かにしがちですが、いつまでも初心を忘れることなく、丁寧な問診と丁寧なカルテ記載、そして丁寧な病理診断依頼箋記載を心がけてほしいと私は思います。

初期研修医でもあなたは「先生」ですので、我々同業者も、そして患者さんも、あなたが思っている以上に、「先生」のことを見てますよ。

当部の湯澤先生が共著したcase reportの「Zolbetuximab-related gastritis: a case report of the patient with prolonged gastrointestinal symptoms」がGastric Cancer (IF=6.0) にアクセプトされました。

当部の湯澤先生が共著したcase reportの「Zolbetuximab-related gastritis: a case report of the patient with prolonged gastrointestinal symptoms」がGastric Cancer (IF=6.0) にアクセプトされました。

「ゾルベツキシマブ関連胃炎」という疾患に関する症例報告で、ゾルベツキシマブというのは抗体医薬品の一つです。

抗体医薬品は、癌細胞を攻撃する抗癌剤の効果を高める作用を持つ薬で、ゾルベツキシマブは昨年2024年3月に日本で初めて使用が認可された比較的新しい抗体医薬品です。

それに関連する疾患ということで、非常に話題性のあるトピックであります。

新しい薬は、厳重に治験を重ねた上で認可されてはいますが、どうしても予想外の副反応は起こり得ります。

なので、この度のような症例報告は、今後の医学の発展のためにとても有用なのです。

予期せぬ結果や失敗は誰もが隠したくなるものですが、逆にそれを公に共有することで、同じことを繰り返さないようにみんなが気を付けることができます。

4月から新しい職場や学校に身を置く方もいらっしゃるとは思いますが、自分の成功談や武勇伝ばかり語る先輩は得てしてろくでもないことが多いです。

例外もありますが、自分の失敗談をカッコつけずに教えてくれる先輩こそ学ぶべき先輩なのです。

私も昔は初期研修医や学生さんにナメられたくない一心で、背伸びした態度や経験者マウントをとってしまい失敗した苦い経験があります。

そのことを今ここで書ける様になった先輩もいる当部で、病理を学んでみるのも宜しいのでは、と皆さんに共有させていただきます。

4月1日より当部に新しいメンバーが加わりました。

4月1日より当部に新しいメンバーが加わりました。

中振臨床検査技師と菊地臨床検査技師です。

昨年度はお別れが多かった当部ですが、新選された新鮮な新戦力として深浅問わず幅広く当部を支えてほしいです。

これから宜しくお願いします。

当部の水上先生と岡田さんの送別会が開催されました。

 

当部の水上先生と岡田さんの送別会が開催されました。

水上先生は2年ほどの間、外科と病理部両方に所属という形で当部を支えてきて下さりましたが、4月より外科に専念されるとのことで3月いっぱいでお別れとなりました。

また、臨床検査技師として当部を支えて下さった岡田さんも、3月いっぱいでお別れとなりました。

外科医として多忙ながら、合間に時間を作って病理診断に加わって下さった水上先生。

若い技師さんが多い中で、経験豊富なベテランとして何度も当部を助けて下さった岡田さん。

4月からお二人がいらっしゃらなくなるのはとても名残惜しいですが、心残りがないように送り出させていただきました。

しかしながら、この先、新しいメンバーが増えていっても、お二人の教えや頂いた学びは受け継がれていくので、心意気は、残り続けるでしょう。

これからのお二人のご活躍を、病理部一同お祈り致しております。

※掲載写真は一部加工を施しています。

当院消化器病理カンファレンスにて、当部の谷野先生が症例提示を行いました。

当院消化器病理カンファレンスにて、当部の谷野先生が症例提示を行いました。

消化器内科、消化器外科、病理診断科の3科合同で過去の症例について議論する場です。

今回取り上げられたのは膵臓にできた腫瘍の症例でした。

膵臓は手術が非常に難しい臓器で、その周囲には肝臓、胆嚢、脾臓、胃、十二指腸、小腸、血管など様々な臓器が密集して存在しているため、それぞれの位置関係を正確に把握しなければなりません。

視野は狭く、その上、出血などで視界が悪くなることもあるので、高い空間把握能力が求められます。

病理も標本上の平面世界だけをみていると思われがちですが、平面世界を連続的に繋げて、立体的に病気を捉えなくてはいけません。

外科医の先生の中には、その空間把握能力の高さから絵がお上手な先生がいらっしゃると聞いたことがありますが、もしかしたら私にも空間把握能力があって、意外と上手な絵を描けて、実は患者さんのお役に立てる才能を秘めている可能性があるのかもしれません。

 

昔から、お餅の絵を描くのは、得意でしたが。

「Lung Cancer Pathology Expert Web Seminar 2025」にて、当部の谷野先生、秋山技師長が座長を務め、湯澤先生が講演を行いました。

「Lung Cancer Pathology Expert Web Seminar 2025」にて、当部の谷野先生、秋山技師長が座長を務め、湯澤先生が講演を行いました。

タイトル通り肺癌の病理学的なウェブセミナーで、細胞検査士の立場から、医師だけでなく病理検査技師が発表することもあるセミナーです。

この度、秋山技師長は座長の立場で招かれ、司会の方から「秋山先生」と呼ばれていました。

基本的に「先生」は医師や教師、政治家などに付けられがちな敬称ですが、当部の技師さん達を牽引し、後進の育成にも熱心に取り組む秋山さんも先生と呼ばれて然るべきだと私は思います。

先を生きてきた者として、後に続く人たちの才能の芽を、これからも生やしていってほしいと思います。

【重要・2025年3月21日更新】 当院における病理標本のSOP(標準作業手順書)の改訂に伴い、未染標本作製依頼書の新しい様式を当ホームページ上にアップロード致しました。

【2025年3月21日更新】

当院における病理標本のSOP(標準作業手順書)の改訂に伴い、未染標本作製依頼書の新しい様式を当ホームページ上にアップロード致しました。

御依頼の際は、本日よりこちらを御利用いただきたく存じます。

書類作成前に、臨床用1のExcelファイルはver17、臨床用2はver5、研究用はver5であることを御確認下さい。

下記当ホームページ内URLのリンク先のページからダウンロードをお願い致します。

未染標本作製依頼 – 旭川医科大学病院 病理部 【公式】 (asahikawa-patho.net)

当院婦人科との合同カンファレンスにて、当部の谷野先生、青木先生、林先生が症例提示を行いました。

当院婦人科との合同カンファレンスにて、当部の谷野先生、青木先生、林先生が症例提示を行いました。

今回取り上げられた症例の中に、10年以上前に手術で取り除かれていたと思っていた乳癌が卵巣に転移していたというものがありました。

卵巣にできた癌は全てが一応「卵巣癌」という大きなくくりに入るのですが、今回のように乳癌が転移したものは、その中の「転移性卵巣癌」という小さなくくりに分類されます。

これがとても重要で、何故かというと、卵巣がオリジナルの発生母地である「原発性卵巣癌」と、他の臓器から発生した「転移性卵巣癌」は治療法が大きく異なる場合があるからです。

手術で取り除いてしまうのが治療の第一選択であるものや、化学療法が第一選択であるものなど、癌の治療法は多岐に渡りますが、基本的に転移してきた癌は、元々の発生した臓器の癌の治療法が適応されるのです。

この度のように10年以上も前に根治したと思っていた癌の再発・転移はかなり珍しく、診断だけでなく、今後の方針も含めて一筋縄ではいかない症例でした。

 

癌の患者さんは、治療前も、治療中も、治療後も、癌の恐怖に悩まされています。

そして、癌と戦うには、お金が、医療費がとってもかかります。

そんな不安に駆られる患者さんから財源を確保しようとする考えがあることが、

私はいち医療者として、

本当に悲しく、悔しく思います。

「第48回北海道脳腫瘍病理検討会」にて、当部の林先生が症例提示を行いました。

「第48回北海道脳腫瘍病理検討会」にて、当部の林先生が症例提示を行いました。

「北海道脳腫瘍病理検討会」とは、北海道内の病院で診療された脳腫瘍の症例について、臨床医と病理医がそれぞれの観点から発表をするオンラインでの検討会です。

今回の検討会では、脳外科医志望の初期研修医の先生も症例を発表されていました。

脳の外科手術は非常に繊細な技術と、長時間維持できる高い集中力、あらゆる事態にすぐに対応できる瞬発力など、かなり広い能力が求められますが、何より「情熱」が一番肝心と聞きます。

画面越しでしたが、未来と熱意のある、お若いのに立派な先生だと私は思いました。

 

病理医もかなり広い能力が求められますが、何より「見る目」が一番肝心なのです。