お知らせ

神戸大学医学部付属病院 病理診断科の伊藤智雄教授に「病理診断とAI」「原発不明癌の診断」という2つのテーマで御講演いただきました。

神戸大学医学部付属病院 病理診断科の伊藤智雄教授に「病理診断とAI」「原発不明癌の診断」という2つのテーマで御講演いただきました。

プログラミングに関しては御専門ではない伊藤教授が、御自身で勉強されて、AIの病理診断アルゴリズムの作成に挑戦した実際の過程を分かり易く教えて下さり、リアリティーのあるとても興味深い御講演でした。

 

調べてみたところ、AI技術の発展が世界的に目覚ましい昨今ですが、意外にもモノづくりに長けた日本の、病理診断分野においてはまだまだ遅れているようです。

AIの実際の病理画像の読み込みに制約がある、最終的な確定診断にAIが踏み込める領域が狭いなど、日本ならではの事情が関わっているとのことです。

日本は、AI技術においては世界におくれをとっている、と専門家の方々には嘆かわしい現状でもあるみたいです。

逆に言えば法的な調整次第で、日本のAI医療はまだまだのびしろがあるということでもあり、今後の発展に期待が膨らみます。

 

 

 

 

私はAI技術の知識や病理診断の能力もまだまだ未熟ないち病理医ですが、嘆かわしいほど慎重で奥ゆかしい日本人の倫理観が大好きです。

世界からおくれていても、自分なりに一生懸命だったら、

 

一等賞だと、私は思います。

令和6年度 第1回従来型CPCが当院で開催され、当部在籍病理医の市村先生が症例発表をしました。

令和6年度 第1回従来型CPCが当院で開催され、当部在籍病理医の市村先生が症例発表をしました。

CPCとは、亡くなった患者さんの死因を明らかにするために臨床医と病理医がそれぞれの観点から考察を行い、議論するカンファレンスのことです。

この度は臨床の先生と病理医を中心に開催される従来型CPCでした。

今回取り上げられた症例の一つに、ファロー四徴症という心臓の病気がありました。

医学生の方々なら聞いたことがあると思いますが、医療者の中ではとても有名な病気で、当症例は教科書やネット検索でも出てくるような典型的な構造の特徴が全て肉眼で確認できる貴重な症例でした。

医学生さんも実際に見ていたら、病気のイメージが湧き易くなったかもしれません。

医科大学の授業はどうしても座学が中心になり、文字や模式図だけ見せられても理解に苦労する医学生さんは多いと思います。

ですが学生時代は苦労しても、実際に医師として経験を積んで才能を発揮する人はたくさんいます。

物事を実際に「見て」理解する力がある人は、「診て」理解する力も高いからです。

また、苦労して生きることの世知辛さを知っている人は、苦労して生きている人の辛さも知っています。

いち病理医でありますが、いち患者にもなり得る私としては、そういう人に「みて」もらいたいと思います。

当部では臨床検査技師(常勤職員に準じたフルタイム非常勤職員)を募集致しております。

当部では臨床検査技師(常勤職員に準じたフルタイム非常勤職員)を募集致しております。

①臨床検査技師免許所有者、または②令和7年4月に臨床検査技師免許取得見込の方が対象です。

詳細な要項は、下記URLリンク先の旭川医科大学病院ホームページの採用情報のページに掲載致しております。

応募締め切りは10月4日ですので、御確認いただけたら嬉しいです。

あなたと一緒にお仕事ができることを、スタッフ一同、こころからお待ち致しております。

 

早くて来年には、あなたを当部にお迎えでき、

早くて来年には、あなたの作った標本が、患者さんを救います。

国立大学法人旭川医科大学:臨床検査技師採用情報 (asahikawa-med.ac.jp)

 

当院消化器病理カンファレンスにて、当部の谷野先生、湯澤先生が症例提示を行いました。

当院消化器病理カンファレンスにて、当部の谷野先生、湯澤先生が症例提示を行いました。

消化器内科、消化器外科、病理診断科の3科合同で過去の症例について議論する場です。

今回取り上げられた症例の中に、薬剤による影響で腸に穴が開いてしまったかどうかを診断したものがありました。

結果的に否定的だったのですが、健康のために飲んでいたお薬のせいで腸に穴が開いてしまった事例は存在します。

我々病理医に限らず、医師は自身の失敗により苦い経験を、必ずします。

ですがその失敗を忘れず、次に同様の機会に遭遇した時に同じ間違いをしないように気を付ければ、それは成長に繋がります。

良薬は得てして苦いもので、毒にも薬にもならない経験より価値があります。

なので失敗を怖がり過ぎず、逆にリスクを熟知した上での挑戦はいいクスリになります。

 

「避けは百薬の長ならず」、病理医のひとりごとでした。

当院泌尿器科との合同カンファレンスにて、当部の湯澤先生、上小倉先生が症例提示を行いました。

当院泌尿器科との合同カンファレンスにて、当部の湯澤先生、上小倉先生が症例提示を行いました。

今回は「この臓器にある筈のない組織構造が何故かある」一筋縄ではいかなかった症例が取り上げられ、病理学的考察を交えての発表となりました。

病理医にとって経験則は診断するにおいて強力な武器になりますが、此度の症例のように、時には先入観や常識、固定概念を破壊し、真相を知るために自分の認識外の世界の門を叩かねばならないこともあります。

患者さんの数だけ臓器があり、それら全てが同じ法則に当てはまるとは限らないからです。

ちなみに病理医は、自分の手で臓器を切り、標本にする作業を、数時間ひたすら行う必要があるので、実は体力に自信のある医師が多いです。

また、真逆の領域と思われがちな、救急外来の外勤をする病理医も実際に存在します。

まさに今、病理医への先入観や常識、固定概念が破壊されたあなたは、真相を知るためにも是非旭川医科大学病理部の門を叩いてみて下さい。

当部の湯澤先生が「脳神経外科」2024年第52巻第4号で「髄膜腫の病理診断と遺伝子異常」の項を執筆しました。

当部の湯澤先生が「脳神経外科」2024年第52巻第4号で「髄膜腫の病理診断と遺伝子異常」の項を執筆しました。

ストレートなタイトルですが「脳神経外科」は、「教科書の先を行く実践的知識」を切り口に、脳神経外科領域に関する最新の知見が掲載されている日本発の医療雑誌です。

本号は髄膜腫という病気の特集が組まれており、湯澤先生は最新の髄膜腫の病理学的見解について、病理医代表として執筆しています。

髄膜腫の病理学的所見の一つに「渦巻状の細胞配列(whorl formation)」というものがあります。

文字通り、腫瘍細胞が渦を巻くように並んでいて、髄膜腫の代表的な所見です。

私は初めてそれを目にした時、ゴッホの「星月夜」を思い出し、強く印象に残りました。

昔テレビで目にした記憶が教科書の先を行っているとは思えませんが、実践的な知識に結び付きました。

あなたが今まで目にしてきた画像が、映像が、風景が、もしかしたら病理医として先を行く実践的知識に後々繋がるかもしれません。

この病理学界において印象は武器です。

※掲載画像は『「脳神経外科」2024年第52巻第4号』の表紙写真です。

 

令和6年度 第1回教育型CPCが当院で開催され、当部の湯澤先生が症例発表の指導医として参加しました。

令和6年度 第1回教育型CPCが当院で開催され、当部の湯澤先生が症例発表の指導医として参加しました。

CPCとは、亡くなった患者さんの死因を明らかにするために臨床医と病理医がそれぞれの観点から考察を行い、議論するカンファレンスのことです。

この度は初期研修医の皆さんが発表を行う教育型CPCで、湯澤先生は病理医側の発表を行う研修医さん達のサポートをしました。

今年度初めてのCPCは、脳腫瘍の治療中に呼吸困難になり亡くなった患者さんの症例でした。

本症例は様々な要因が絡み合っていて、一つの原因では説明できないとても複雑な病態で、研修医の皆さんも考えをまとめるのに苦慮されたものと思います。

ですが病理医は、どんな症例でも、必ず診断をつけなくてはなりません。

分かりませんでは終われない我々の難しさを、研修医の皆さんにも、このカンファレンスが終わる頃には分かっていただけたと思います。

※掲載写真は一部加工してあります。

当部の湯澤先生と谷野先生が共著したcase reportの「Unresectable ulcerative colitis associated colon cancer in a young Japanese patient: A case report」がInternal Medicine (IF: 1.2) にアクセプトされました。

当部の湯澤先生と谷野先生が共著したcase reportの「Unresectable ulcerative colitis associated colon cancer in a young Japanese patient: A case report」がInternal Medicine (IF: 1.2) にアクセプトされました。

Internal Medicineとは、日本内科学会が世界に向けて刊行する英語の電子ジャーナルです。

日本の医療技術は世界でも引けをとらず、こうして日本発の世界向け論文誌が発信されるほどなのです。

当部の医師が、道に磨き続けた高い準の日本の医療の更なる発展にを点け、世界の医療の向きが変わる未来を想ではなく実現させる、内科学の日本代表のの中にいることをとても誇らしく思います。