お知らせ

【重要・2024年10月23日更新】 当院における病理標本のSOP(標準作業手順書)の改訂に伴い、未染標本作製依頼書の新しい様式を当ホームページ上にアップロード致しました。

【2024年10月23日更新】

当院における病理標本のSOP(標準作業手順書)の改訂に伴い、未染標本作製依頼書の新しい様式を当ホームページ上にアップロード致しました。

御依頼の際は、本日よりこちらを御利用いただきたく存じます。

書類作成前に、臨床用1のExcelファイルはver15、臨床用2はver5、研究用はver5であることを御確認下さい。

下記当ホームページ内URLのリンク先のページからダウンロードをお願い致します。

未染標本作製依頼 – 旭川医科大学病院 病理部 【公式】 (asahikawa-patho.net)

当院泌尿器科との合同カンファレンスにて、当部の上小倉先生、林先生が症例提示を行いました。

当院泌尿器科との合同カンファレンスにて、当部の上小倉先生、林先生が症例提示を行いました。

今回取り上げられた症例の中に、どれほど癌が深くまで進んでいるかが問題になった症例がありました。

癌が臓器の奥深くまで進んでいると、それだけ周りの癌がないところにも、癌が進んでいく可能性が高くなり、再発の危険性が高まります。

血管やリンパ管といった全身の臓器に繋がっているところに癌が入り込んでいたら、尚更気を付けなくてはなりません。

癌がどこにあるのか、全身を一気に調べられれば良いのですが、数ミリ単位の大きさのものは、さすがにCTやPET検査でも正確には分かりません。

なので、癌がありそうな臓器を実際に手術で取り出し標本にして、顕微鏡越しに細かく探していくのが現状最も確実な方法です。

AIによる病理組織診断の研究も進んでいますが、AIは自分で臓器を切り開いて標本にすることはできないので、結局我々人間の病理医が自分の目で見て、癌の情報が得られそうな箇所を選んで標本を作っていく必要があります。

こればかりは、蓄積された経験や知識、感覚、X線のように瞬時に物事を見通せる力が物を言う領域で、AIに学習させて自分の実力をマスクすることはできません。

医療は、SNSほど甘くないことに、異論はありません。

当部では臨床検査技師(常勤職員に準じたフルタイム非常勤職員)を募集致しております。

当部では臨床検査技師(常勤職員に準じたフルタイム非常勤職員)を募集致しております。

①臨床検査技師免許所有者、または②令和7年4月に臨床検査技師免許取得見込の方が対象です。

詳細な要項は、下記URLリンク先の旭川医科大学病院ホームページの採用情報のページに掲載致しております。

応募締め切りは12月6日ですので、御確認いただけたら嬉しいです。

あなたと一緒にお仕事ができることを、スタッフ一同、こころからお待ち致しております。

 

当部の技師さんは腕前が高く、我々病理医の自慢であります。

あなたが当部の一員になってくれたことを自慢できる日、

そしてあなたが当部の一員になれたことを自慢したくなる日、

そんな日の訪れを待ち遠しく思います。

国立大学法人旭川医科大学:臨床検査技師採用情報 (asahikawa-med.ac.jp)

「第47回北海道脳腫瘍病理検討会」にて、当部の上小倉先生が症例提示を行いました。

「第47回北海道脳腫瘍病理検討会」にて、当部の上小倉先生が症例提示を行いました。

「北海道脳腫瘍病理検討会」とは、北海道内の病院で診療された脳腫瘍の症例について、臨床医と病理医がそれぞれの観点から発表をするオンラインでの検討会です。

当部の上小倉先生は、非常に難渋した、当院の脳腫瘍の症例の病理診断について発表しました。

脳腫瘍の病理はとても難しく、医療機関によっては、脳腫瘍病理診断は外部機関に委託しているところもあります。

当部では、当院の脳神経外科と連携して積極的に脳病理を診断しています。

どの病理部にもそれぞれの「強み」というものがありますが、脳腫瘍を診る機会が多いのが当部の強みの一つです。

「弱み」を挙げるとしたら、ちょっと人手が足りなくなりがちなところかもしれません。

もしあなたが「病理に興味がある」という強い気持ちを持って我々の元に訪れてくれたら、あなたの存在が、我々の「強み」になります。

当部の谷野先生が韓国・ソウルで開催された「76th Annual Fall Meeting of the Korean Society of Pathologists/The 1st International Congress of KSP/8th Asia-Australasia Pulmonary Pathology Society Annual conference」で講演を行いました。

当部の谷野先生が韓国・ソウルで開催された「76th Annual Fall Meeting of the Korean Society of Pathologists/The 1st International Congress of KSP/8th Asia-Australasia Pulmonary Pathology Society Annual conference」で「Transbronchial lung cryobiopsy and Multidisciplinary discussion for diagnosis of Interstitial lung diseases」の講演を行いました。

韓国、台湾、中国、インド、マレーシア、シンガポールなど世界各国から参加した病理医と情報交換し、とても有意義な国際学会となりました。

会場がせまいと感じるほどたくさんの人が集い、おなじ学問を志す者同士で果敢に意見を交わし合うも、最後はまるい感じで納まりました。

我々医療人は、生きる国は違えど、目指す未来はただひとつです。

みんなそれぞれたすけあって、この小さな世界を守りたいのです。

当部の谷野先生が共著したcase reportの「Treatment of lung adenocarcinoma with chemotherapy helps mitigate chronic myeloid leukaemia progression: A case report」がOncology letters (IF 2.5) にアクセプトされました。

当部の谷野先生が共著したcase reportの「Treatment of lung adenocarcinoma with chemotherapy helps mitigate chronic myeloid leukaemia progression: A case report」がOncology letters (IF 2.5) にアクセプトされました。

タイトルをとてもざっくりと和訳すると「肺癌の抗がん剤治療が白血病にも効いた1例」です。

白血病という病気は実質「血液の癌」です。

液体である「血液の癌」と言われてもピンとこないと思いますので、「血液を作り出す臓器の癌」と考えて下さい。

血液中に、正常ではない細胞が正常ではない勢いで増えていき身体機能を正常でなくする点は、他の臓器の癌と一緒です。

このように、学んだことのない方々には、聞いてもイメージし辛い医学用語はたくさんあります。

なので医師には、患者さんが理解できるように病気について分かり易く説明する義務があります。

医療の主役は医師ではなく、患者さんです。

主役が、自分の歩む道について満足のいく選択ができるように精一杯サポートするのが、脇役である医師の腕の見せ所です。

直接患者さんとお会いしないので影が薄いですが、我々病理医こそ、「癌治療」の名バイプレイヤーと覚えてくれたら嬉しいです。

当部の谷野先生が「Scientific Exchange Meeting in 北海道」で「膠原病関連間質性肺炎とMDD」に関する講演会のクロージングを務めました。

当部の谷野先生が「Scientific Exchange Meeting in 北海道」で「膠原病関連間質性肺炎とMDD」に関する講演会のクロージングを務めました。

MDDとはMulti-Disciplinary Discussionの略で、呼吸器専門医、放射線科医、病理医の3者で合議をする、「日本呼吸器学会 びまん性肺疾患診断・治療ガイドライン」で推奨されている診断法です。

今回のテーマは膠原病関連間質性肺炎ですが、膠原病という言葉に聞き馴染みの薄い方もいらっしゃるのではないでしょうか。

膠原病は、発生した臓器がはっきりしないのに、全身に症状を及ぼす非常に厄介な病気です。

ですが、顔を見て実際に患者さんを診ている、

X線やCT画像を通して患者さんを診ている、

病理組織標本を通して患者さんを診ている、

3つの診るスペシャリストが集えば見えない敵に臆することはありません。

我々病理医の”みる”目と、その目力は、他の科からも一目置かれているのです。

当部の谷野先生が病理委員会として共同執筆した『肺癌診療ガイドライン 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍を含む 2024年版』が発刊されました。

当部の谷野先生が病理委員会として共同執筆した『肺癌診療ガイドライン 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍を含む 2024年版』が発刊されました。

診療ガイドラインとは、治療施設が違っても患者さんが同じ基準の治療を受けられるように定められた、推奨される診療の指標のことです。

肺癌診療ガイドラインは毎年改定されていて、日進月歩の肺癌の病理学的指標も、毎年日本を代表する病理医達によって定められているのです。

医療は競争ではなく、みんなが横並びで一緒に前進することを目指していて、こういった全国共通のガイドライン作成もその一環です。

診療のレベルを底上げしていく方が、結果的にたくさんの患者さんを救うことができるからです。

医療ドラマのような、悪魔みたいな心臓外科医の天才的技術や、絶対に失敗しない外科医の技術を追い求めたりはしません。

医療は、ドラマではないからです。

※掲載画像は『肺癌診療ガイドライン 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍を含む 2024年版』の表紙写真です。

令和6年度 第2回従来型CPCが当院で開催され、当部在籍病理医の市村先生が症例発表をしました。

令和6年度 第2回従来型CPCが当院で開催され、当部在籍病理医の市村先生が症例発表をしました。

CPCとは、亡くなった患者さんの死因を明らかにするために臨床医と病理医がそれぞれの観点から考察を行い、議論するカンファレンスのことです。

この度は臨床の先生と病理医を中心に開催される従来型CPCでした。

今回取り上げられた症例の一つに、慢性心不全の増悪で亡くなられた患者さんがいらっしゃいました。

実は、心不全を死因として死亡診断書に医師が記載する際には注意が必要です。

本当に心不全が直接的な原因か診断できない場合に、漫然と心不全を死因として記載してはならないと国際的に決められているからです。

「心不全」は「心臓が機能を全うできない」状態を広く指す言葉であり、疾患の名前そのものではないのです。

このように医学用語は、その意味を正確に把握して使用する必要があります。

病理医は、病理組織の視覚的情報を医学的に言語化することを求められるので、言葉の定義に敏感でなくてはなりません。

故人を懐い待つ御家族の思い思いの想いに応える念いを胸に死の診断をする、責任の重い仕事だと私はおもいます。

当部の谷野先生が「脳腫瘍」のセッションを分担執筆した「術中迅速病理診断スタンダード」が発刊されました。

当部の谷野先生が「脳腫瘍」のセッションを分担執筆した『術中迅速病理診断スタンダード』が発刊されました。

非常に重要な分野ながら、今まで要点がまとめられた正書は少なかった術中迅速病理診断の、新たな指針となる1冊です。

検体の取り扱いから標本作製、診断まで網羅されており、各病理診断施設に必携の内容です。

迅速病理標本は施設ごとの技術の差が出易いと言われており、正確な診断には病理医だけでなく標本を作製する検査技師の高い能力も不可欠です。

当部の迅速病理標本はとてもクオリティが高いと定評があり、我々病理医は技師さんの力にいつも助けられております。

共に医療をする仲間を誇らしく思えることを、私は誇りに思います。

※掲載画像は『術中迅速病理診断スタンダード』の表紙写真です。