【2025年9月19日更新】
当院における病理標本のSOP (標準作業手順書) の改訂に伴い、未染標本作製依頼書の新しい様式を当ホームページ上にアップロード致しました。
御依頼の際は、本日よりこちらを御利用いただきたく存じます。
下記当ホームページ内URLのリンク先のページからダウンロードをお願い致します。
【2025年9月19日更新】
当院における病理標本のSOP (標準作業手順書) の改訂に伴い、未染標本作製依頼書の新しい様式を当ホームページ上にアップロード致しました。
御依頼の際は、本日よりこちらを御利用いただきたく存じます。
下記当ホームページ内URLのリンク先のページからダウンロードをお願い致します。
2024年12月28日より、当院の剖検の体制が変わります。
主な変更点は、
・【剖検依頼受付時間】
・【執刀時間】
・【依頼方法】
です。
剖検を希望される先生は、必ず以下のリンク先のページをお読みになってから、御案内に沿ってお申し込み下さい。
御協力を宜しくお願い致します。
劉先生が札幌で開催された第3回呼吸器関連5学会合同北海道地方会で演題を発表しました。
臨床医が主体となる学会なので、いつもとは違って病理医向けではないアプローチが必要になる難しい演題発表でしたが、劉先生は見事成し遂げ、臨床の先生方からも好評でした。
病理医の中では常識でも臨床医には浸透していない概念はたくさんありますし、その逆もたくさんあります。
私は昔、当院ではない医療機関で、臨床の先生方の間で、一般外科は「ぱんげ」、乳腺外科は「にゅうげ」、呼吸器外科は「こげ」、血管外科は「けつげ」と略していたのを聞き知っていたので、当科内で「あれは、けつげの先生ですね」と言って凄い空気になったことがありました。
以来、私は絶対に血管外科とお呼びすることにしました。
谷野先生が神戸で開催された第6回日本石綿・中皮腫学会にて、一般演題「分子・遺伝子・病理」と教育講演3「石綿の免疫毒性と中皮腫」の座長を務めました。
神戸大学医学部新緑会館記念ホールが満席になるほどの参加者で、発表演題・質疑応答も多く大変盛り上がりました。
参加された方々の目はまるで神戸の夜景のように爛々と煌めいておりましたが、演題や質問の内容はとてもハイレベルで、神戸スイーツのように甘くはありませんでした。
皮膚科の岸部麻里先生が筆頭著者で、谷野先生が共著した論文の「VEXAS症候群診断の観点を踏まえたSweet症候群患者の単施設後方視的解析」が日本皮膚科学会誌 第135巻第10号に掲載されました。
アトピー性皮膚炎などのありふれた病気から、癌などの悪性腫瘍まで、皮膚を介して病気が発見されることは多いです。
その重要性から、皮膚の病理は一つの専門分野としてカテゴライズされているほどです。
皮膚は「体調の窓」と言われるように、全身診察における皮膚の状態の把握はとても重要なのです。
患者さんとの関係性を良好にするためにも、そして、患者さんの具合の悪さにすぐ気付くためにも、医師にとって、「顔色をうかがう」のは、案外重要なことなのです。
令和7年度 第2回教育型CPCが当院で開催されました。
CPCとは、亡くなった患者さんの死因を明らかにするために臨床医と病理医がそれぞれの観点から考察を行い、議論するカンファレンスのことです。
この度は初期研修医の皆さんが発表を行う教育型CPCで、当科以外の講座の医師が、病理医側の発表を行う研修医さん達のサポートをしました。
発表、つまりプレゼンテーションは、良い発表用スライドを作成するだけでなく、口頭での説明も重要です。
どんなに頑張って素晴らしいパワーポイントファイルを作成しても、退屈な喋り方で聴衆の聞く気を奪ってしまったら元も子もありません。
今回担当された初期研修医の皆さんも、実際に自分の口で発表してみて、自分が思っていたより上手く喋れなかった、と感じたかもしれません。
こればっかりは座学では身に付かないので、人前で喋る経験をどれだけ積んできたかがものを言います。
自分の話している内容が理解されないのを聞き手の理解力不足のせいにする著名人がいますが、話し手の努力不足もあると私は思いますので、若い先生方はそんな石頭にはならないと、信じています。
医療安全・質向上のための相互チェック・特定機能病院間相互のピアレビューが行われました。
本年度の調査項目の一つは「病理検体採取から病理診断まえのプロセスにおける、検体取り違え、混入、紛失の防止を目的としたテクノロジーの導入状況」でした。
横浜市立大学病院 病理部長の藤井誠志先生、病理部担当係長の西尾由紀子技師が当部を訪問し視察されました。
多くの質問や指摘をいただくと共に双方向の情報交換が行われ大変有意義な視察をいただきました。
今後も病理部として改良や改善を重ね、旭川医科大学病院の医療安全・質向上のため尽力したいと思います。
当科が今後大きく化けていくために、改めてできるところから新しくしていく「大化の改新」で、「無事故」の病理診断を目指します。
市原 真 先生が准教授に就任しました。
以前から客員講師として当科に定期的にいらっしゃっていたのですが、この度、正式に当大学病院所属となりました。
既に病理医として数多の御実績をお持ちで、当科の大きな大きな力となって下さり、本当にありがたく、嬉しく思います。
これからも宜しくお願い致します。
当部の上小倉先生が第210回日本病理学会北海道支部学術集会 標本交見会で演題を発表しました。
標本交見会とは、北海道地方の病理医を中心とした学会のことで、年に4回開催されています。
今回は名古屋大学大学院医学系研究科 臓器病態診断学の加留部 謙之輔 教授によるセミナーも同時に開催されました。
加留部先生はセミナーにてリンパ腫について御講演して下さるということで、是非とも教えを頂こうと、上小倉先生も含めて、発表演題もリンパ腫関係のものばかりでした。
どれも一癖も二癖もあるリンパ腫の症例でしたが、難渋しながらも、うっかり見逃してしまいそうな塵のように些細な所見を拾い上げて風を吹かせ、それを昇華して病態のストーリーを思い描き、最終的に診断に行き着いたことを、どちらの先生も力説されておりました。
その診断過程の様相は、さながら「風塵Rising」図で、これこそまさに、「リンパ」の醍醐味です。
当部の湯澤先生が共著した論文の「Clinical utility of comprehensive genomic profiling test for colorectal cancer: a single institution prospective observational study.」がJ Cancer Res Clin Oncol. (IF= 2.8) にアクセプトされました。
「prospective observational study」は「前向き観察研究」という意味で、研究開始日から未来に対象となった事項を観察していく研究、つまり開始してからデータを集めていく研究方法のことです。
逆に、既に過去に出揃っているデータを収集して、そこから新たな結果を導き出すのを「後ろ向き研究」と言います。
「この英語は本当にこの和訳でいいのか」案件の中でも特に有名なものです。
決してポジティブな研究とネガティブな研究のことではありません。
研究は何らかの利益があると見込んで行われるので、基本的に全部前向きな気持ちで始めています。
私は医師国家試験の時、受験後あまりにも自信がなくて、合格発表までに過去の不合格ボーダーラインのデータを集めて研究して、自分は絶対に落ちている、と毎日鬱々と過ごし、予備校選びも始めていました。
多分、これは後ろ向き研究だったと思います。
当部の湯澤先生が共著した論文の「Successful Identification and Treatment of Cancer of Unknown Primary Originating From Gastric Cancer Using Comprehensive Genomic Profiling and Immune Checkpoint Inhibitor Therapy: A Case Report.」がCancer Rep (Hoboken) (IF= 1.9) にアクセプトされました。
「Cancer of Unknown Primary Originating」は「原発不明癌」という意味です。
「Primary」は一般的には日本語で「主要な」「第一の」などの意味で知られていますが、医療においては「病気の原発 (※原子力発電の略ではないです)」の意味合いがあります。
このように、医学英語として用いると意外な意味を示す言葉は結構あります。
例えば「Viable」は、「実行可能な」などの意味が有名ですが、医療では「細胞・組織として生きている」という意味になり、抗癌剤で倒しきれていない癌細胞を「Viableな癌細胞」と称したりします。
また、コードや点滴チューブなどが何かに引っかかって、捻れて危ない状態を「キンキンしている」と言います。
私は初期研修医の時、患者さんをストレッチャーにお乗せする際に上級医が「点滴、キンキンしてる!」と言っていて、咄嗟のことでどっかの方言が出とるわwと思っていたのですが、「Kinking」と言う立派な英単語でした。
無知がPrimaryの恥ずかしい思い出で、今でもViableです。