2024年12月28日より、当院の剖検の体制が変わります。
主な変更点は、
・【剖検依頼受付時間】
・【執刀時間】
・【依頼方法】
です。
剖検を希望される先生は、必ず以下のリンク先のページをお読みになってから、御案内に沿ってお申し込み下さい。
御協力を宜しくお願い致します。
2024年12月28日より、当院の剖検の体制が変わります。
主な変更点は、
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【2024年10月23日更新】
当院における病理標本のSOP(標準作業手順書)の改訂に伴い、未染標本作製依頼書の新しい様式を当ホームページ上にアップロード致しました。
御依頼の際は、本日よりこちらを御利用いただきたく存じます。
書類作成前に、臨床用1のExcelファイルはver15、臨床用2はver5、研究用はver5であることを御確認下さい。
下記当ホームページ内URLのリンク先のページからダウンロードをお願い致します。
当院キャンサーボードにて、当部の上小倉先生が症例提示を行いました。
キャンサーボードとは、旭川医科大学病院での悪性腫瘍:がんの症例に対して、各科の医師が集まって意見を出し合う大型カンファレンスのことで、当院では定期的に開催されております。
当部の上小倉先生は、平滑筋肉腫という珍しい悪性腫瘍の症例を診断し、その解説をしました。
平滑筋肉腫とは、人間の筋肉の一種である平滑筋細胞によく似た腫瘍細胞からなる悪性の腫瘍で、その特徴的な病理所見の一つに「両切りたばこ状核」というものがあります。
紙巻きたばこの種類の一つである両切りたばこと、平滑筋肉腫の細胞の核がそっくりな形をしているためそのように名付けられました。
日本の悪性軟部腫瘍の取り扱い規約にも記載されている、正式な病理用語です。
しかしながら、世界的に喫煙率が減っているこの御時世、両切りたばこ自体を知っている人はどれほどいらっしゃるのでしょうか。
ましてや医療に関連する概念をたばこで例えるというのも、現代のコンプライアンス的にはそぐわない気もします。
こういう問題提起という狼煙をあげると、火のないところに煙は立たないことを分かっていながら煙たがる人たちが出てきて、のらりくらりと煙幕を張られ、いつの間にかうやむやに煙に巻かれてしまいます。
ふかす訳はありませんが、こういう、人とは違う視点をバカみたいに追及できる人は、高いところにのぼるもの。
私はそう信じて、今は地道に研鑽に打ち込みます。
ただモクモクと。
当部の谷野先生と湯澤先生が共著したcase reportの「Diagnosis of Isocitrate Dehydrogenase-Mutant Astrocytoma in the Subcallosal Gyrus Using T2-Fluid-Attenuated Inversion Recovery Mismatch Sign and Quantitative Magnetic Resonance Relaxometry」がCureus (IF 1.2) にアクセプトされました。
翻訳ソフトや生成AIもたじたじの、なかなかに複雑なタイトルですね。
ざっくりと和訳すると、
「脳の一部分である梁下野というところにできた、脳腫瘍の1種である星細胞腫の中でも、
イソクエン酸デヒドロゲナーゼという細胞の中の1成分が、通常とは異なる性質を持っているものを、
MRI検査の撮影法の1つであるFLAIR法と、MRI検査撮影画像の情報を数値化して評価する方法、
その2つの方法を用いて診断した1例」です。
既にものすごい情報量です。
脳腫瘍の分野は特に、遺伝子や検査法など一般の方にはちょっと難しい言葉がたくさん登場します。
私は医師ですが、自分の精通していない領域の言葉の理解にはまだまだ時間がかかります。
そういう意味では、このホームページを読んで下さっている皆さんと近い視点だと思います。
今年も我々病理医のお仕事の一端をご紹介していけたらと思いますので、翻訳ソフトや生成AIもたじたじの人間味や親しみや温かみやわかりみを皆さんが感じていただけたら、私はうれしみを感じます。
当部の秋山直子臨床検査技師が、技師長に就任しました。
主任、副技師長として、ずっと牽引してきて下さりましたが、この度、正式に技師長に任命されました。
当院は病理検体数も多く、技師さん達の協力なしでは病理診断は絶対に成り立ちません。
「師」という言葉には、「専門家」という意味以外にも「教え導く人」という意味もあります。
どうかこれからも、その素晴らしい技術を伝えるみんなの「師」して、末長く当部を支えて下さい。
改めて、おめでとうございます、秋山技師長。
当院消化器病理カンファレンスにて、当部の上小倉先生が症例提示を行いました。
消化器内科、消化器外科、病理診断科の3科合同で過去の症例について議論する場です。
今回取り上げられた症例は、「偽浸潤」が論点になりました。
文字通り「偽」の「浸潤」で、癌が深くまで進んでいるように見えて、実際は浅いところにある状態を指す言葉です。
癌の進んだ深さ次第で手術の方針も大きく変わるので、病理医は必ずこの偽浸潤という概念を知っておかねばなりません。
極端な話、しなくても良い過剰な治療を患者さんにしてしまうかもしれないからです。
医療は生きた人間を相手にしているので、必ずしも全てに同じ理屈が通ることはなく、例外はたくさん起こり得ます。
今回の偽浸潤も、言わば例外的な癌の評価です。
ですが、例外ばかりに目を奪われていたら、本筋を読むことはできません。
最近はSNSなどの普及で医師免許をもっている人の炎上がよく取り沙汰されますが、あれは例外です。
本当の医師は皆、医療人としての
筋は通しています。
当部の里村臨床検査技師が2024年度細胞検査士資格認定試験に合格しました。
個体の成分の少ない尿や胸水などの検体は、薄く延ばした状態で標本にし、細胞の状態を見て診断する細胞診という診断法を用います。
この細胞診は、施設にもよりますが医師だけでなく、資格を有した「細胞検査士」も直接的に診断に関わります。
里村さんは試験に合格し、その資格を手にすることができました。
里村さんが勤務時間外も自主的に勉強をして努力を怠らなかったのを、当部の誰もが見て知っていたので、この度の朗報は自分のことのように嬉しく思います。
本当におめでとうございます。
これからは診断レポートを通して、あなたの実力を、当院の誰もが見て知ることになると、心から思います。
令和6年度 第3回教育型CPCが当院で開催されました。
CPCとは、亡くなった患者さんの死因を明らかにするために臨床医と病理医がそれぞれの観点から考察を行い、議論するカンファレンスのことです。
この度は初期研修医の皆さんが発表を行う教育型CPCで、当部ではなく、腫瘍病理学講座教授の髙澤先生が、病理医側の発表を行う研修医さん達のサポートをしました。
今回のCPCで取り扱われた病気はなかなか珍しく、初期研修医の皆さんには馴染みの薄いものだったにも関わらず、非常にハイレベルな発表・議論が交わされて、とても驚きました。
私が初期研修医だった頃には、ここまで立派に勤め上げることはできなかったかもしれません。
そして、とっても些細なことかもしれませんが、私が今回一番感動したのは、言葉遣い一つにも患者さんへの敬意を感じられたことです。
どんなに学生時代に成績優秀でも、人を敬うことのできない医師は、無価値です。
最近の医学生教育や初期研修制度は、知識や技術の習得ばかりを優先して、一番大切なことの指導が疎かになっている印象です。
ですが、今回発表に臨んだ初期研修医の皆さんは、全員名医になれる逸材だと私は思います。
これから努力してたくさん汗水を流して、時には涙して、どうかその才能を枯らさないでほしいです。
当部臨床検査技師の宮川さんの壮行会と忘年会が開催されました。
宮川さんは約7年もの間、当部を支え続けて下さりましたが、この度新たなチャレンジのために当部とお別れすることになりました。
これまでの御尽力への感謝、そしてこれからの激励の意を込めて、盛大にお祝いさせていただきました。
私も、えんもゆかりもない病理学という分野を学び始めた頃から、当部のえんの下の力持ちである宮川さんにはよすがとして御意見を求めることも多く、その時のことが今も目のふちの裏に浮かび、短い間ながら築いたえにしを感じます。
退職されてからも、当部とは関わりを持ち続けてくれるとのことで、これからもお力をお借りすることがあると思います。
我々一同、宮川さんのこれからを、心より応援させていただきます。
新しい境地でも、素敵な御縁が紡がれますように。
当部の谷野先生と上小倉先生が当院の2024年度第3回MDDで症例提示をしました。
MDDとはMulti-Disciplinary Discussionの略で、呼吸器専門医、放射線科医、病理医の3者で合議をする、「日本呼吸器学会 びまん性肺疾患診断・治療ガイドライン」で推奨されている診断法で、当院では定期的に開催されています。
病理診断における間質性肺炎は、実は非常に難解です。
感染症やアスベスト肺、血管炎など幅広い「肺癌以外の肺の病気」について集約された比較的新しいある参考書では、全437ページ中104ページ、つまり1/4が間質性肺炎について記載されています。
そんなにもページ数を割かなくてはならないほど、間質性肺炎は診断に必要な情報量が多く、まだまだ謎の多い病気なのです。
だからこそ、臨床科、放射線科と各分野の見解を持ち寄って検討をする必要があるのです。
このように、我々医療人は、互いに尊敬し合い、協力して診療に臨みます。
一人で手術はできないし、一人でCTは撮れないし、一人で病理診断はできません。
自信を持ち過ぎず、謙遜の心を常に忘れないようにしなければなりません。
私も人生の1/4は過ぎましたが、そんなにも歳月を割いても尚、医師として、人として、まだまだ至らぬ所の多い未熟者なのです。
当院キャンサーボードにて、当部の林先生が症例提示を行いました。
キャンサーボードとは、旭川医科大学病院での悪性腫瘍:がんの症例に対して、各科の医師が集まって意見を出し合う大型カンファレンスのことで、当院では定期的に開催されております。
当部の林先生は、皮膚への転移で見つかった、尿の通り道である「尿路」にできた癌で、その中でも珍しい性質を持つ症例を診断し、その解説をしました。
カンファレンスの最中、主治医の泌尿器科の先生は、「UC」という言葉を発しました。
「Urothelial Carcinoma」、日本語で「尿路上皮癌」の略称です。
しかし、消化器内科の先生が「UC」と聞くと「Ulcerative Colitis」、つまり「潰瘍性大腸炎」を想像します。
はたまた産婦人科の先生なら「Uterine Contraction」の「子宮収縮」か、「Umbilical Cord」の「へその緒」を思い浮かべるかもしれません。
日本の医療界でも英語の略語はよく使われますが、自分の科以外では通じ辛いものもあることは気を付けなくてはいけません。
我々病理医は様々な科の先生とコミュニケーションをとる必要があるので、専門用語には尚更慎重にならなくてはならないのです。
実習中の医学生さんが「既往にUCがあり…」なんて言っているのを聞くと、本当に英語の意味を分かっているのかな?なんて思っちゃいます。
『 What’s “UC”, you understand, ……you see? 』