市原先生が中外医学社の商業誌「J-IDEO」 (2025年 Vol.9 No. 6) の特別座談会に出演しました。
企画のタイトルは「顕微鏡がつなぐ感染症診療 ─微生物、病理、寄生虫、尿検査の交差点─」で、現在大阪大学にいる超有名な微生物技師・山本剛先生のお招きにより実現しました。
「J-IDEO」は、感染症に関する最新のトピックを、とても興味深く紹介してくれる医療業界でも有名な雑誌です。
時々、病理診断で、細菌感染についての評価をお願いされることがあります。
意外と認識されていないのですが、病理検査で十分に評価できる対象の最小単位は「細胞」です。
「細菌などの微生物」は、0.02ミリメートル程度のサイズである「細胞」に入り込むため、必然的に更に更にサイズが小さく、病理診断ではどうしても限界があるのです。
もっと高い倍率まで見れるようにするには顕微鏡や標本に特別な処理をしなくてはならず、それは「病理診断」より「微生物検査」の領域になるのです。
そんなとってもとっても小さな存在の微生物と人間を守る免疫細胞による、「絶対に感染させたいニキVS絶対に感染させたくないニキ」の必死のせめぎ合いを診ていると、1分間最強を決める闘いに熱狂する我々人間も、命を懸けて相手をブレイキングダウンし続ける細菌や細胞も、大して変わらないちっぽけな存在だと達観したような、未来的な感覚に浸れます。