神戸大学医学部付属病院 病理診断科の伊藤智雄教授に「病理診断とAI」「原発不明癌の診断」という2つのテーマで御講演いただきました。
プログラミングに関しては御専門ではない伊藤教授が、御自身で勉強されて、AIの病理診断アルゴリズムの作成に挑戦した実際の過程を分かり易く教えて下さり、リアリティーのあるとても興味深い御講演でした。
調べてみたところ、AI技術の発展が世界的に目覚ましい昨今ですが、意外にもモノづくりに長けた日本の、病理診断分野においてはまだまだ遅れているようです。
AIの実際の病理画像の読み込みに制約がある、最終的な確定診断にAIが踏み込める領域が狭いなど、日本ならではの事情が関わっているとのことです。
日本は、AI技術においては世界におくれをとっている、と専門家の方々には嘆かわしい現状でもあるみたいです。
逆に言えば法的な調整次第で、日本のAI医療はまだまだのびしろがあるということでもあり、今後の発展に期待が膨らみます。
私はAI技術の知識や病理診断の能力もまだまだ未熟ないち病理医ですが、嘆かわしいほど慎重で奥ゆかしい日本人の倫理観が大好きです。
世界からおくれていても、自分なりに一生懸命だったら、
一等賞だと、私は思います。