
当院婦人科との合同カンファレンスにて、湯沢先生、青木先生、上小倉先生が症例提示を行いました。
今回取り上げられた症例の中に、改めて婦人科腫瘍は難しいと思わされた症例がありました。
というのも、婦人科、つまり子宮や卵巣の腫瘍は、「良性」、「悪性」の他に、その中間の「境界悪性」という概念があるからです。
良性とも言い切れないけど、完全に悪性とも言い切れない腫瘍を境界悪性というのですが、患者さんはもちろん、臨床医の先生もそのどっちつかずな概念に悩まされているということがわかりました。
我々が腫瘍を診断しても、その後に患者さんの経過を診ていくのは臨床の先生なので、はっきりしてほしい気持ちはとってもよく分かります。
それこそ今注目のAI技術や3次元病理で、臓器の隅々まで診て悪性の特徴が見つからなかったから良性と言い切れる日が近い将来やって来るのかもしれません。
人間、特に日本人は得てして考えがブレやすく結論を先延ばしにしがちな生き物ですので、AIのように冷静かつスマートに判断できる存在の方が、病理診断に向いているのか、そうでないのか、今すぐには結論を出せない私はちゃんと人間だと思います。
ちゃんと人間なので、AIに負けてると言われたら、大変遺憾に思います。
