当院消化器病理カンファレンスにて、当部の上小倉先生、坂田先生が症例提示を行いました。
消化器内科、消化器外科、病理診断科の3科合同で過去の症例について議論する場です。
今回取り上げられた症例の中に、採取した腫瘍が2つの病気の病理学的特徴を両方持っており、診断に難渋したものがありました。
何が問題かと言いますと、どちらに診断するかで治療法が大きく変わってくるので、患者さんの診療に責任を持っている臨床の先生的にははっきりしてほしいのです。
ですが、我々も病理医も診断に責任を持っていますので、はっきりしない情報をもとに半端な診断を下す訳にはいかず、そこが論点となりました。
現代は昔より医療訴訟などの患者さんとのトラブルが格段に増えており、医師にはリスクマネージメント能力が求められる時代ですので、慎重さは一生の武器になります。
初期研修医の皆さんは、論文の書き方や血管にカテーテルを入れる手技もさることながら、「ビビる」ことをまず覚えた方が良いと私は思います。