北海道大学第一内科の杉本先生が筆頭著者で、谷野先生が共著した論文の「Pathological features of pulmonary vasculopathy in interstitial lung disease-associated pulmonary hypertension」がRespiratory Medicine (IF=3.4) に掲載されました。
特発性肺高血圧症と間質性肺炎の背景に存在する血管異常を病理学的に解析した論文です。
肺と心臓の血液循環は、よく学生さんが混乱するところでもあります。
動脈は「酸素を全身に運ぶ」、静脈は「また酸素を取り入れるために戻っていく」という認識が元々あるため、心臓から肺に向かう『肺動脈』には酸素の少ない「静脈血」が流れ、肺から心臓に向かう『肺静脈』には酸素を含んだ「動脈血」が流れるという事実がイメージし辛いからです。
更に『肺高血圧症』は文字通りに受け取ると「肺が高血圧ってどういうこと?」と、その実態に行き着く前にこんがらがって頭が拒絶反応を起こすのです。
これはネーミングが混乱を引き起こす事象の典型例だと思います。
『なんか肺にいく酸素すくなくてかわいいやつ』『なんか心臓にいく酸素いっぱいでかわいいやつ』『なんか肺にいく酸素すくなくてかわいいやつが硬くなってくるしいやつ』みたいな名前だったら、『はいかわ』『しんかわ』『はいかわがくるしいやつ』と親しみを持つことができて、理解できなくて「わァ…」と泣いちゃったりすることもなくなるのではと私は思います。
