当院キャンサーボードにて、当部の上小倉先生が症例提示を行いました。
キャンサーボードとは、旭川医科大学病院での悪性腫瘍:がんの症例に対して、各科の医師が集まって意見を出し合う大型カンファレンスのことで、当院では定期的に開催されております。
上小倉先生は、腎臓と肝臓の隙間にできた悪性腫瘍の症例の診断・解説をしました。
当院にその患者さんを紹介して下さった医療機関で、背中から針を刺して腫瘍の一部を採取してくる生検が行われておりました。
しかしながら、病理学的に病変の全体像を掴むには、もうちょっと腫瘍が採れていたら良かった感じでした。
当たり前ですが、病気の診断は、患者さんの情報が多ければ多いほど正確にできます。
今回は生検での病理組織情報自体は少なめでしたが、臨床の先生の診察や放射線科の先生の画像診断によって、結果的に病気のおおよその全体像を把握することができました。
この春から医療従事者として第一歩を踏み出す初期研修医の皆さんは、医学生の頃から、問診で患者さんの情報を聞き出すことの重要性は何度も教えられてきたと思います。
慣れてくると、外来を早く終わらせたいことばかりに気を置いて患者さんとの対話を疎かにしがちですが、いつまでも初心を忘れることなく、丁寧な問診と丁寧なカルテ記載、そして丁寧な病理診断依頼箋記載を心がけてほしいと私は思います。
初期研修医でもあなたは「先生」ですので、我々同業者も、そして患者さんも、あなたが思っている以上に、「先生」のことを見てますよ。