当院泌尿器科との合同カンファレンスにて、当部の上小倉先生、林先生が症例提示を行いました。

当院泌尿器科との合同カンファレンスにて、当部の上小倉先生、林先生が症例提示を行いました。

今回取り上げられた症例の中に、どれほど癌が深くまで進んでいるかが問題になった症例がありました。

癌が臓器の奥深くまで進んでいると、それだけ周りの癌がないところにも、癌が進んでいく可能性が高くなり、再発の危険性が高まります。

血管やリンパ管といった全身の臓器に繋がっているところに癌が入り込んでいたら、尚更気を付けなくてはなりません。

癌がどこにあるのか、全身を一気に調べられれば良いのですが、数ミリ単位の大きさのものは、さすがにCTやPET検査でも正確には分かりません。

なので、癌がありそうな臓器を実際に手術で取り出し標本にして、顕微鏡越しに細かく探していくのが現状最も確実な方法です。

AIによる病理組織診断の研究も進んでいますが、AIは自分で臓器を切り開いて標本にすることはできないので、結局我々人間の病理医が自分の目で見て、癌の情報が得られそうな箇所を選んで標本を作っていく必要があります。

こればかりは、蓄積された経験や知識、感覚、X線のように瞬時に物事を見通せる力が物を言う領域で、AIに学習させて自分の実力をマスクすることはできません。

医療は、SNSほど甘くないことに、異論はありません。

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