当院キャンサーボードにて、当部の林先生が症例提示を行いました。
キャンサーボードとは、旭川医科大学病院での悪性腫瘍:がんの症例に対して、各科の医師が集まって意見を出し合う大型カンファレンスのことで、当院では定期的に開催されております。
当部の林先生は、皮膚への転移で見つかった、尿の通り道である「尿路」にできた癌で、その中でも珍しい性質を持つ症例を診断し、その解説をしました。
カンファレンスの最中、主治医の泌尿器科の先生は、「UC」という言葉を発しました。
「Urothelial Carcinoma」、日本語で「尿路上皮癌」の略称です。
しかし、消化器内科の先生が「UC」と聞くと「Ulcerative Colitis」、つまり「潰瘍性大腸炎」を想像します。
はたまた産婦人科の先生なら「Uterine Contraction」の「子宮収縮」か、「Umbilical Cord」の「へその緒」を思い浮かべるかもしれません。
日本の医療界でも英語の略語はよく使われますが、自分の科以外では通じ辛いものもあることは気を付けなくてはいけません。
我々病理医は様々な科の先生とコミュニケーションをとる必要があるので、専門用語には尚更慎重にならなくてはならないのです。
実習中の医学生さんが「既往にUCがあり…」なんて言っているのを聞くと、本当に英語の意味を分かっているのかな?なんて思っちゃいます。
『 What’s “UC”, you understand, ……you see? 』