当部の湯澤先生と青木先生が共著したcase reportの「Bursitis in the nonarticular part of the mandible in atopic dermatitis」がOral and Maxillofacial Surgery (IF=1.7) にアクセプトされました。
「atopic dermatitis」とは日本語で「アトピー性皮膚炎」のことで、一般的にも聞きなじみのある言葉だと思います。
皮膚の病気にももちろん病理というものがあり、特に皮膚は肉眼、つまりその目で見た特徴と病理組織との照らし合わせが重要と言われています。
当院では皮膚の病理は、実際に臨床的に皮膚を診ている皮膚科医と我々病理医、2つの科の医師の目を通して診断しています。
それぞれの科の着眼点の相違もあり、見解が異なることもあります。
私が医学生の頃、病理組織標本作製のために自分の外来患者さんの皮膚の一片を剥がしたものを、うっかり吹き飛ばしてしまった学生に対して激怒していた皮膚科の偉い先生がいました。
我々病理医は毎日数十の症例の病理標本を目にするので、どうしても一件一件の印象が薄れがちになります。
当時学生達からは恐れられていましたが、患者さんの皮膚の欠片一つにも感情的になれるあの先生は、医師として素晴らしい志をお持ちだったのだと今になって思います。