当院キャンサーボードにて、当部の林先生が症例提示を行いました。
キャンサーボードとは、旭川医科大学病院での悪性腫瘍:がんの症例に対して、各科の医師が集まって意見を出し合う大型カンファレンスのことで、当院では定期的に開催されております。
林先生は、小腸にできた癌の症例の解説をしました。
小腸の癌は、発見が遅れることの多い病気です。
と言うのも、小腸には胃カメラも大腸カメラも届かず、実際に目に見て癌を探すことが困難だからです。
実は人間の食べ物の通り道である消化管は、喉にある食道からお尻の直腸まで、全長9 m程度あると言われています。
小腸はちょうどその真ん中辺りにあるのですが小腸だけで5〜6 mあると言われています。
流石にそこまで長いカメラを人体に挿入するのは、口からも、お尻からも難しいのです。
また、同じ消化管でも、食道、胃、小腸、大腸はそれぞれ粘膜の構造が異なっていて、胃癌や大腸癌と同じ治療では小腸癌には効かないこともあり、それぞれの場所で別々の考え方で病気を診療しなければならないのです。
一般的にも耳にする「胃腸」という言葉がありますが、私としては胃と腸は簡単に引っくるめられるものではないと思っています。
国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」に山根くんという、よくみぞおちの辺りを抑えて「うっ…胃腸の調子が…」と言っているとても繊細なキャラクターがいるのですが、実は彼はかなり大胆な表現をしているのです。