当院消化器病理カンファレンスにて、当部の上小倉先生が症例提示を行いました。
消化器内科、消化器外科、病理診断科の3科合同で過去の症例について議論する場です。
今回取り上げられた症例は、「偽浸潤」が論点になりました。
文字通り「偽」の「浸潤」で、癌が深くまで進んでいるように見えて、実際は浅いところにある状態を指す言葉です。
癌の進んだ深さ次第で手術の方針も大きく変わるので、病理医は必ずこの偽浸潤という概念を知っておかねばなりません。
極端な話、しなくても良い過剰な治療を患者さんにしてしまうかもしれないからです。
医療は生きた人間を相手にしているので、必ずしも全てに同じ理屈が通ることはなく、例外はたくさん起こり得ます。
今回の偽浸潤も、言わば例外的な癌の評価です。
ですが、例外ばかりに目を奪われていたら、本筋を読むことはできません。
最近はSNSなどの普及で医師免許をもっている人の炎上がよく取り沙汰されますが、あれは例外です。
本当の医師は皆、医療人としての
筋は通しています。